写真は、そこにいなければ写らない。それは確かなことなんだけど、写真を撮るためにそこに行き、たかだかカメラを構えてシャッターを押しただけなのに、撮ることやら撮った写真に理屈をくっつけたがる。それが、写真の見方、読み方をもっともらしくさせる。(『ズレたシャッターチャンス』丹野清志 )


『 風雲月露『生めよ殖やせよ』 』

散歩中にニコンF3が書かれたカメラ店の看板が納屋に貼ってあるのを目にして、昔、見た日活映画『肉体の門』を思い出した。

『生めよ殖やせよ』『ガソリンの一滴は血の一滴』『ぜいたくは敵だ』『欲しがりません、勝つまでは』・・・この映画に出て来た俳優の名前もおぼろげに、看板の文字だけをつぶやきながら、今日も変哲の無い写真を撮る。

2024.3 のぶなが