写真は、そこにいなければ写らない。それは確かなことなんだけど、写真を撮るためにそこに行き、たかだかカメラを構えてシャッターを押しただけなのに、撮ることやら撮った写真に理屈をくっつけたがる。それが、写真の見方、読み方をもっともらしくさせる。(『ズレたシャッターチャンス』丹野清志 )


『山岳の民』

2013年の3月下旬、ベトナムのハノイから寝台列車で北西方向へ、中国との国境近くの山岳地帯に存在する少数民族の地域に行くことができました。(nikkor club撮影ツアー)ラオカイ駅からはバス、移動途中あちこちで道路工事に遭遇し、山岳で集落もまばらな地域にもかかわらず多くの人がケイタイ電話を持ち普通に使っている光景を見て、これからのこの地域の急激な変化を見たように感じました。

2019.5 新海 裕幸


『虚ろな街』

量産、消費、廃棄のサイクルが目まぐるしい世の中。街は破壊と再生を繰り返しながら変貌を遂げている。再生するには破壊をしなければならない。『自民党をぶっ壊す』と言った小泉純一郎元首相の言葉も今となっては懐かしい。人もこのサイクルのベルトコンベアーに乗せられ駒のひとつとして生きている。やがて、その駒を操るAI知能が地球を支配する日も近いだろう。

2019.5 のぶなが


『絶景』

3月末に小笠原の母島に旅をしました。4年ぶり3回めです。東京港から船で24時間かけて父島に着いて、そこからさらに船を乗り換えて2時間、船酔いのあげくようやくたどり着く、日本でいちばん遠いところです。今回は母島で念願の体験ダイビングをすることができました。ここに載せた写真は先導してくれたダイバーのお姉さんに撮ってもらった私です。カメラは持参した防水タイプの「写ルンです」を使いました。一生忘れられない大切な経験になりました。水中写真家の凄さが私にもよく分かりました。まるで夢をみていたようです。まったくのしろうとの私を手取り足取り海の中へ案内して下さったダイブショップの皆様に感謝します。

「絶景」は初代GRデジタルで撮った地上の写真です。前泊した都心の景色に始まって、船に乗って東京港を出港して橋をくぐり、砕ける波を眺め、父島を経てははじま丸に乗り換えて母島に着き、母島の集落を歩き、戦跡を探し、母島小中学校の先生の離任式に出会って、最後は父島を離れて東京港に向かうおがさわら丸から撮った写真です。帰りは低気圧のせいで船が揺れて夜は眠れなかったのですが、水不足の島のひとにはよかったのだと思います。ローライフレックスTで撮った写真は整理ができしだいお見せします。

2019.5 阿部 敏之

2019.5 北斎やわら